「んっ…どこや?」

長々とした入学式を終え、教室に向かいたい亮だが、学校の大きさが彼を襲う。

何とか靴箱に掲示板を見つけ、1年3組に向かう。

教室のドアを開けると、一気に視線が集まった。

「何でみんなこっち向いてんの…?」

周りから「お前天然なん?!」「遅すぎるで!」「入学式から何分経ってると思ってるの〜」と声が飛び交い、笑いが生まれる。

その中で一際輝いた目でこちらをみる視線があった。

亮はまだそれが柚希のものとは知らない。

一瞬びっくりしたが気にせず席に座った。