「ずっと、こんな風にタカに触りたかった

タカ、こういうの全然したくなさそうだし

拒否されたら嫌で、」


よくわからないけど

私ってキノにそんな風に見られてたの?
手も繋がないような女に?

ばかにしてます?


「…あのね、私は別に、そんなこと思ってないし

むしろキノが何もしないこと変だと思ってたよ」


「そ、そうなの」


「そうです、けど、今の話はちょっとぶっ飛びすぎというか

今まで手も繋いだことなかったのに

1日で全部やっちゃうのもあれじゃない、なんか、急ぎすぎてるみたい」


「…うん」


キノがまたうつむいた。

ああ、また犬みたいに…


私は軽くキノの手を握り返した。



「けど、よかった、キノがちゃんとキスしたいとか思っていてくれて」


「エッチも」


「…言わすな、」


「…はい」


「だから、また今度、しよ。
今日はそれが知れただけでよかったから」


「今度って、いつ?言ってくれなきゃ俺、タカと居るときずっといかがわしいこと考えちゃいそう」


「…………………それは、……なんか、……そういう雰囲気のときに……ね」


「そういう雰囲気って?」

「うるさーーーーい!!

また今度はまた今度!!」

キノが落胆するように声をあげるので私は軽くキノの頭を叩いた。


キノはそのままベッドに寝転がって私の腕を引っ張った。


キノと目が合う。



「……もう」


「タカ、大好きだよ」



至近距離の攻撃に

私はゆでダコのように顔が熱くなった。

このまま流れでキスまで持ってかれるんじゃないかと思ったけど


キノはそれ以上何もしなかった。

軽く私を抱き締めて、好きだよって言ってくれた。



嬉しかったけど


死ぬかと思った。