もしそうだとしても、俺が幻滅する理由にはまったくならないんだけど、タカにとってはそれが怖かったのだろうか。

まあ、確かに、出会いがあれだけかっこいい感じにきまっていたからそういう境遇の子だったとわかれば確かにギャップはあるけれど


そんなことよりも、


「別に。こっちはまた会えて嬉しかったけど」

「私、だって、…嬉しかったけどさ、」

「タカはタカじゃん。どこに居ても一緒だよ。俺は、これからいつでもタカに会えるの嬉しい」

「………うん、ありがと」


タカの頬が少し赤くなっていた。

用件は伝えられたし、わだかまりもなくなってスッキリした。



「あ、月曜、学校の場所わかんないでしょ?学校まで一緒に行くからね」

「うん…ありがとう」


「色々と、大変だろうけど、私にできることならなんでもするからいってね」


「大丈夫だよ、ありがとう」


何度もありがとうを言った。

きっとこれからも何度も言うことになる。母さんとのことがあってから俺は不運だとばかり自分を恨んでいたけれど


まだ自分にもこんなに爽やかな感情が残っているとわかった。


人生捨てたものじゃないと、思えた。