と、とにかく!
「アザミくん、あのさ」
『出てけぇえ〜…』
「お、来たっ」
ずざざざっと草むらを駆ける音がしたと思ったら、うちの担任が気の陰に隠れた。
…先生も大変だ。
「フユ驚いてやれよ」
「あ、ごめん、じゃなくて。アザミくんに話したいことがあるの」
「なに?」
私は間を置いて息を吸った。
今度こそ…
「ある人の話を、」
『お前ら誰だ〜出てけ〜』
「え、なに、聞こえなかった」
「だ、だからっ、話」
『呪うぞぉ〜』
うるっさいわ!!
話くらいさせてくれよ!
私は少し前を歩くアザミくんの腕を掴んだ。
だめだこのペースでは。
もっとカメのように遅くいかなくては会話もままならない。
「どうした?やっぱ怖くなったか?」
「うん、怖くなったからもっとゆっくり行こう」
「全然怖がってないように見えるのは気のせいか」
「うん、それで、話があって…」
「あれー?フーちゃん?」
背中から聞こえるのは、私の計画破綻のお知らせだった。

