ガイドさんはコホンと咳払いしたあと、なにやらおどろおどろしい口調で語り始めた。
「その昔、この山には何十人もの悪党たちが生き埋めにされたといいます。
ですからここに来るお客さんがよく見るらしいです。無念と共に死んだその悪党の幽霊を。
では皆さんルートを説明しますね。暗いのでライトは必ず照らしながら行ってください。途中道の隣が軽い崖になっているので注意してくださいね。
まあロープが張られているので大丈夫でしょうが」
そういってからガイドさんはルートを説明し始めた。
ルートは至って簡単そうだった。というか、肝試しのためのルートがあるらしい。
しかしながら既に先生が何人か居ないがどうにもおかしい。
絶対に潜んでるじゃないか。
説明を聞いたあと、すぐ肝試し大会が始まった。
ここまで響いてくる叫びに私も身構えた。
「フユってこういうの苦手?」
「私、そういうテレビは結構楽しんで見るよ」
「怖かったら抱きついていーぞ」
「話聞いてた?」
ついに私たちの順番になり、アザミくんとルートに足を踏み出した。
私は深呼吸する。
ここで、聞くんだ。
キノのこと。
出来るだけゆっくり進もう。
「アザミくんゆっくり行こう?」
「…いいけどさー、反応可愛くねー」
悪かったな。
だけど私は楽しく肝試ししにきたんじゃないから。
そう、大切な話をしに来たんだ。
田中くんと同じで。
いや、田中くんとは違う。

