「おっせーな二人とも、ガールズトークでもしてたわけ?」
私たちが到着するなりアザミくんが調理台に手をつけて不満をもらした。
そうでーすと可愛らしく返事するエリちゃんにぺしっと軽く叩くアザミくん。
盛り上がりすぎて待たせたのは悪かったな…
「ごめんね」
「ま、いーんだけど、今田中が材料持ってきてくれてるから」
田中くんとは一応同じ班の野球部の男子だが、朝の山の探索のときはどっか別の班の仲のいい友達と話しながら歩いていた。
そういえば、私がアザミくんと肝試しのペア組んだらエリちゃん田中くんとじゃん。
エリちゃん可愛いから田中くんはいいだろうけど、いいのだろうか。やっぱり話せるアザミくんの方がエリちゃんも楽しめるんじゃ…
「あ、そうだ、私肝試し田中くんと組むから二人組んでねー」
「え、いいの?」
「なんか誘われてさー、告られちゃうかな?まいったなー」
はっはっは、と笑うエリちゃん。
けど、よかった。
これでなんの心配なくアザミくんとペアが組める。
それからすぐ田中くんが材料を運んできてくれてカレー作りが始まった。
アザミくんと私は包丁を持ち、エリちゃんと田中くんは食器洗いだ。
借り物の皿だから洗ってからじゃないと使えないのだ。
「まってまってまって、」
じゃがいもの皮をむいている手をアザミくんに止められ私はアザミくんを見上げた。
今集中してるから話しかけないでほしいんだけど。
「なに?」
「それ、身より皮が太くなってんだけど」
「え、ああ、…だめ?」
「だめってか、身なくなるからそれ、フユはニンジン切っとけよ」
「はい」
言われたとおりニンジンを切ることにする。
包丁うまく使えないのは自覚しているので反抗はしない、けど
隣でするするとじゃがいもの皮をむいていくアザミくんのせいで手元が狂う。
な、なぜあんな美しくじゃがいもの皮をむけるの。
いったい私と何が違うんだ。
「フユ、手元ちゃんと見ないと指飛ぶぞ」
「あ、はい」

