【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―


取り敢えず水で流して放っておけば



「指切ったの」


「え」



ヒロちゃんが隣にいた。

あなた忍者ですか。


驚いて変なポーズをとってしまったじゃないですか。


「早く洗いなよ」


「あ、うん」


ヒロちゃんが水を出してくれたので
指を洗う。


まさか気づいて来てくれるなんて


優しいね



「…てか、人参」


「え?ああ…これね、大根だよ」


「どうがんばっても人参にしか見えねーよ」



ばれた。


てへ。



ヒロちゃんは絆創膏を持ってきてくれた。

それを受け取って自分で貼る。

ヒロちゃんが貼ってくれたらいいのに。

フーちゃん相手なら貼ってあげてたんでしょうね。



「ヒロちゃんが好き嫌いしちゃうと悪いから」


「人参は他のもので栄養を補うのでいらない」


「言い訳が子供だよ。
大人になってから人参だけ残してるとこ誰かに見られたら恥ずかしいじゃん」


「それを種にして会話が生まれるかもしれない」


「うるさー、だからすり潰してやったの。黙って食べてよね」



ヒロちゃんが苦い顔で鍋に流し込まれる人参を眺めている。


ふふ

愉快だ。



味付けはちゃんと甘めにしてあげたから。

こんくらいいーじゃん!



煮込んでる間は
リビングでソファーに腰かけてヒロちゃんの隣でテレビをみた。


ヒロちゃんは特になにも話さずテレビに見いっていた。