「保健室?」
「うん、タカ倒れたから」
「…文化祭」
「終わったよ」
廊下から暗幕や器具を運びながらおしゃべりする女の子の声が聞こえた。
窓を除くと
裏庭のテントはすでに撤退され看板が所々に横たわっている。
うそ
「終わっちゃったの…?」
「うん」
「ごめん」
涙が出そうになって俯いた。
情けない
私は結局
キノとの約束を果たせなかった。
「いいよ」
「ごめん、約束」
「いいって。一緒に舞台立てただけで嬉しかった」
キノはまったく悪びれた風もなくにっこりと笑った。
そんなキノを見てついに込み上げたものが落ちた。
「ごめ…」
「今日、楽しかったよ」
キノは笑顔だった。
私を責める様子がまったくなかった。
なんて優しい人だろうと思う。
マヒロくんの屋台にも行けなかったのに
私が倒れたせいで。

