キノはすごいよ。
こんなところに立ってあんなに大きな声を出していたんだね。
私は
ここに立つだけで精一杯だよ。
キノを見上げた途端
体がふわりと持ち上げられた。
俗にいう
お姫様抱っこというやつ。
私の腕はキノの首に回され舞台の中央へゆっくりとキノは歩いていった。
会場にざわつく気配はない。
バレてないのだろうか。
確かに体系的にエリちゃんと私は似ているけど、
私は顔をキノの肩に押し付けて見られないようにした。
キノが足を止めるのがわかった。
キノの心臓の音が伝わってくる。
相変わらずゆったりした動き。
こんなときも緊張しないの?
どんだけ肝座ってんのよ。
ドックン
ドックン
キノが大きく息を吸うと
心臓が大きく動いた。
「やっと見つけた、
ずっと、貴方を探していた。
これからは貴方だけを愛して
必ず幸せにしてみせよう。
愛してるよ
僕のシンデレラ」
キノのセリフに
女子高生のキャーって声が小さく響いた。
やっと、終わったのだろうか
そう思った。
キノの手がキノの肩に押し付けていた私の額を押し上げると
キノと目が合った。
キノがうっすらと微笑を浮かべたとき
一瞬
唇にキスをされた。
呆然の私
会場に響く女子の声
笑顔のキノ。
拍手と歓声と共に
幕が落ちる途中に
ぐらりと視界が歪んで
そのまま私は意識を閉ざしてしまった。

