「早く」
「へ!」
「早く着替えて!」
「無理無理無理無理!!!絶対無理ですっっ!!」
吉田さんと距離をとろうと引き下がると
強く腕を捕まれた。
ひ、ひいい…
「そ、そうだ!吉田さんしたら…」
「私はサイズが違う
それに、七瀬さんは高橋さんに頼んでる
だから、やって」
「けど、セリフ、」
「何も話さなくていい笑ってればいい
木野くんがどうにかする」
「んな無茶な!!」
「はやーく!!」
「きゃぁあぁあっっ」
来ていたブレザーとワイシャツを二人に脱がされ
あっという間に私はドレスを着せら、ティアラを頭につけられた。
てか、エリちゃん普通に立ってんじゃねーかっ!
なんで
どうして
こんなことに!?
「そら、いけーー!!」
「あっ、ひ、」
舞台に押し込まれた私。
初めて
舞台からの景色を見た。
思ったより
たくさんの人がいた。
照明が顔にあたって熱かった。
私は
頭が真っ白になった。
足がすくんで、歩けない。
目線の先にキノがいる。
キノは驚いたようにこちらを見て
小走りで近寄ってきた。
「あ、の、キノ、」
「そんな顔しないで」
泣きそうになった顔を
キノの手のひらが包み込んだ。
緊張が途端に溶けていく。

