【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

エリちゃんがこちらに向かって走ってきた。

さっきより疲れた表情だ。
早くタオルを渡してあげようと私は手を構えた。


「エリちゃんお疲れ、タオルを…あ、え、」


エリちゃんは私を通りすぎると
私の腕を掴んで引っ張った。

いきなりのことで私はタオルを落としてしまった。



「エリちゃん、着替え、」

「知ってるフーちゃん、次、キスシーンあるよ」


「え?」


「いやでしょ?」



いやいやいや

それここで言う?

それより着替えないとやばいんでない?


一気に溢れてくる言葉をぐっとこらえて私の目を見つめるエリちゃんを見る。



「あー、キスシーンてあれでしょ?
おでこかほっぺって台本に書いていたの」


「キスはキスだよ。キノくんの唇がフーちゃんじゃない誰かにくっついちゃうんだよ?」


「別に、エリちゃんなら、劇だし」


「ダメでしょ!!」



ええええ!?