【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―



「俺のせいでキノがああなって

高橋さんを傷つけた」


「そんな、私だって悪のりしたし

キノのことは、知らないことがまだたくさんあって…」


「それでも、俺のせいだ」


マヒロくんは眉を寄せて隠すように手の甲を額に置いた。

こればかりは仕方ない

マヒロくんだって
知らないんだ

キノのこと。




「だいたいキノがバカな勘違いしただけだし」


「勘違いで死のうとする?」


「それは、」


「俺、キノを殺しかけたんだよ」


「やめてよ、そんなこと言わないで」



自然と
声が強みを帯びた。

マヒロくんはキノの唯一の友達だ。


マヒロくんがそんなことを言ってはいけない。

キノにはマヒロくんが必要だから


そんな罪の意識をもってほしくないと思った。




「キノとはこれまで通り普通にしていようと思う。

変にキノを貶めるような話題は避ける。


マヒロくんもそうしてほしい」


「……けど、やっぱり理由知らないと不安じゃない?」


「……そうだけど

今は、キノ以外から知る手段はないし

真さんは何か知っているようだったけど、教えることはできないらしいから」


「…そっか」



マヒロくんはそのまま黙り込むと私の膝から離れてまたソファに寝そべった。


ちょうどその時

エリちゃんが元気よくドアを開けるとメニューを持って入ってきた。



「もらった!」


「ありがとう、エリちゃん」



エリちゃんは照れ笑いしながら
私の前にメニューを広げてくれた。