【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―




「よし、どんどん入れてどんどん歌おう!

今日はうまく歌うために来たんじゃないし!

嫌なこと忘れて歌うの!」


エリちゃんはそう言うとどんどん曲を入れた。

マヒロくんも少しだけど歌って、

私は…なんとか裏声を使うことでシャウトを回避することにした。



マヒロくんもさすがにうまいなぁ

声もかっこいいんだもんな。



平日で人も少なく
追い出されることなく歌い続けた。



「お腹すいた〜」


昼近くになり

エリちゃんはお腹に手を置いてソファに寝そべった。

マヒロくんは歌うのに飽きたらしく隣で昼寝中だ。



「あれ、この部屋メニュー置いてないしー

私もらってくんね」


エリちゃんはそう言うとそそくさと部屋を出ていった。

私はそれを見送るとふーっと息をついてオレンジジュースを手にとった。


「…はーあ…」


「わっ」


急に膝に重みがかかったと思ったら

マヒロくんの頭が膝の上に載っかって私を見上げていた。


起きたみたいだ



「おはよう」


「ん、高橋さん、まだ昼?」


「うん」



眠たそうな目付きなので引き剥がすのもかわいそうでとりあえずそのまま。


特に気にはしない、…しない。



「……高橋さん」


「なに?」


「ごめんな」


「何が?」


「キノのこと」



マヒロくんはそう言うと目を閉じた。