いつものように、遅刻ぎりぎりのところで余裕ぶって教室に入る。



「よぉ黒谷!相変わらず遅いな!

 今度遅刻したら風紀委員の俺が反省文30枚書かせてやるからなぁー!」



風紀委員でもあり俺の後ろの席でもある島崎が、


偉そうに説教をして来た。


「おい、『今度』ってなんだよ、

 しかも俺今日も遅刻してねぇぞ?」



30枚はきついな。


だが、俺は遅刻しない男!


反省文を書くことなんて、今までも、きっとこれからも永遠にないんだ。





授業中、絶対に前を向いて真面目に勉強していれば


絶対に視界に入らないあいつのことが気になった。




プリントを後ろに回す機会がやってきた。



お、きたきた。



後ろをいつもより思いきり振り返ったせいか、


後ろの席の島崎は少し驚いてた。



だけど目線は完璧に室田麗子だ。


意識も完璧に室田麗子の方だ。