もともと彼女は周りにいる女子とは違った。


顔良し頭良し運動良し、すべてが完璧の俺に媚び売る女達の中で、


こいつだけは俺に何の興味も持たなかった。



俺の中の『常識』を室田麗子にぶつけることは、


自由に宙を舞う美しい蝶を籠の中に閉じ込めてしまうのと同じこと。


それが、どれだけ彼女に失礼なことであるのか、今になって分かった。





─────────ああ、俺は馬鹿だな。




他の女子とは違うから、気になった。



最初は存在さえ気にならなかったけど、あの数分で変わった。



あんなに短い時間の中で、どんどん彼女に惹かれていったんだ。









それくらい、特別な人だった。





もともと、独特な人で。




もともと、特別な人。







俺の中で、彼女はきっと運命の人なんだ。