俺は眠ってる病院帰りの室田麗子を背負って室田麗子の家へ向かった。
早く目覚ましてもらわねぇと不安が募っていくばかりだ。
もう、目が覚めない、なんて思ってしまうから。
心配だったから、きちんと家のインターホンを押して、
あとはご両親に任せるつもりだった。
…………………任せるつもりだったんだ………けど。
誰も扉を開けてはくれない。
耳を澄ますが何も聞こえない。
こいつ、一軒家にひとり暮らし?
なんて危ない奴なんだ。
ストーカーにでもあったらどういうつもりだよ。
そんなことを思いながら家の中から返事が聞こえる事を期待した。
結局誰も答えてくれなかったから、
室田麗子の鞄あさって鍵見つけて勝手に入っちゃったけどさ。
……不法侵入にはなんないよな?うん。
初めて入る家には室田麗子の匂いが空間に広がっていて、
何か…………落ち着く。
