………………………………

………………………

………………



放課後だ。



室田のこと考えてたからか、


時間が経つのが早いようにも遅いようにも感じる。




一人、ドキドキしながら扉が開くのを待ってる。


戸惑いとか焦りとか、そういうのはもう蓋をした。


ただ、来て欲しい。






15時2分、ぴったりに扉が開いた。


…………いつもの時間だ。


無言で室田麗子が入ってくる。


無言なのは苦しいが、来てくれただけでほっとした。



「…………約束したわよ、ね?」



俺の救われたような顔を見て不思議そうに訪ねてくる室田麗子。


 
「おう、した」


「じゃあ何でそんなに嬉しそうな顔してるのよ?」


「さぁな」


「……そう」


あっけない会話。

今日初めての会話。

こんなに話せないとキツいの初めてだ。

こんなに話せて嬉しいのも初めてだ。