途中から室田麗子の家までお姫様抱っこはキツいから、おんぶにした。
結局目が覚めて、二人で並んで歩いたけど。
会話したいのに、話題が全然見つからなくて、ずっと二人で黙ってた。
そんな感じで、変な空気のまま室田麗子の家まで着いた。
「送ってくれてありがとう」
「お前が送ってって言ったんじゃん」
「あ、そうだったわね」
少しだけ、笑ってる。
「……じゃあ、また明日」
「……おう」
それで、離れるんだと思ったら。
「………また明日も放課後行って良い………?」
俺の背中にそう、必死に叫んで問いかけるように言ったから。
「……………誰が『来んな』って言った?」
その言葉が届いた瞬間、
彼女があまりに無邪気に笑うから。
あーあ、手放したくなくなっちゃった。
