バスの、1番後ろの数人乗れる席の1つ前に座った。


いつも通路で区切られた席の左右はこだわらないが、


今日は部活帰りの奴もいるし、歩道側じゃない、車道側だ。


で、俺が窓側。



「なぁ、お前何でいつもいつも俺の邪魔しに放課後来るわけ?」



急な質問だったからか、室田麗子は少し驚いてる。



「………だって、暇じゃない」


「俺はその暇な時間を1人で静かに過ごしたいんだが」


「ま、賑やかな方がいいでしょ」


「……俺がお前の秘密誰かにバラさないよう見張ってるってこと?」



図星、というような驚いた目で俺を見る彼女。



「大丈夫。俺言わないし。何でお前の秘密バラして俺が得すんの?」


「そ、そうね………じゃあ、信じる」




『信じる』って言葉を伝える時、室田麗子は俺の目をまっすぐに見つめる。




それはもう純粋に。





その澄みきった瞳に俺なんかが映って良いのか少し戸惑ってしまった。