「…………何よ」
驚いている俺に気づいたのか、俺の手をつかみ、
俺のアイスを頬張る室田麗子が、俺に質問してきた。
「な、『何よ』っておまえ………!普通男の食べかけアイスにがっつくか!?
付き合ってもない、最近初めて口きいた奴の食べかけだぞ!?」
「だって私が食べたかったから買ったのよね?そのフレーバー」
「うっ……」
そ、それはそうなんだが………。
俺が聞いてるのはそういうことではなくてだな!?
「だーかーらー!俺の食べかけ食うってことは、俺と、…………間接キスするってことだよ……」
最後の方は恥ずかしくなって消えそうな声でぼそぼそと呟いた。
でもその声はちゃんと室田麗子に届いていたらしく。
「…………………!!!!!」
……ったく、自分からやっといてこれかよ。
その見事な赤面に、俺はただ笑うしかなかった。
照れるとき、こいつはすぐ顔を赤くさせる。
可愛いな…………。そういう純粋なところ。
はっ、と俺は我にかえる。
可愛い………って言ったか俺?
そんなふうに思ったこと誰にも気づかれていないだろうが、
なんとなく弁解しておこうじゃないか。
……………俺は、こんな女、何とも思ってねぇ!
