何人か並んでいたアイス屋は、
いつのまにか俺たちが注文する番になっていた。
「あ、私ストロベリーとチョコチップクッキーバニラとチョコミントとマス
クメロンとチョコレートと………」
「おい!食い意地張りすぎだろ!3つだけ選べ」
「えぇ、無理よ!だって、私の中での候補が6つもあるのよ!?」
「太るぞ!」
「余計なお世話!」
俺たちが言い争いをしていると、
後ろの客がだんだんイラついているのが分かった。
「はぁー。しょうがねぇなぁ」
俺はため息をつきながら店員さんに注文する。
「すみません、ストロベリーとチョコチップクッキーバニラとチョコミント
の組み合わせでひとつ、マスクメロンとチョコレートと……」
「レモン!」
「……の組み合わせでひとつ、合計トリプルを2つずつください」
「コーンでいいかしら?」
「ええ。すみません、注文に時間をかけてしまって」
「あら、いいのよー。それにしてもこんな美男子が彼氏なんて、
お嬢さんが羨ましいわねぇー」
「へっ、か、か、か、かっかれっっっしし!?」
先程まで他のフレーバーをじっと眺めてた、
室田麗子が急に話に入ってくる。
「残念ながら、僕たちはただのクラスメートです」
「あらぁ、ほんと。残念ねぇー」
そんな会話をしているうちにアイスの盛り付けが終わったようだ。
「すみません、ありがとうございます」
「いいえー、またきてちょうだいね!」
ぺこりと頭を下げて、室田麗子を連れ、
俺は近くにあったベンチに腰掛けようとする。
