「日記・・・?」

伊達は明らかに動揺していた。
額に汗をかいている。

「伊達君は・・・ここにいるみんなの前では、
青木君と親しくしているように見せかけていたみたいだけど、
裏では先輩と一緒になっていじめていたっていう話は本当なのかい?」

日記に書かれていた内容は、
伊達にいじめられていたという真実だった。
僕はゆっくりと目を閉じた。
僕が最初からこの学校の生徒で、青木を助けていたら・・・
青木は・・・そして僕は、一体どうなっていただろうか。

「君は1度でも、青木の墓・・・、
いや、青木直弥に会いに行ったことがあるか!?
夢野は何度も青木に会いに行っていた。
全部母親が教えてくれたんだ!
これが真実だ!!
青木直弥を殺したのは、お前じゃないか!!!」

僕は伊達を指さした。
久しぶりにこんな大きな声を出した。
僕は呼吸を整えた。

「・・・気分はどうだい?
お前は、夢野を指差して人殺しだと言った。
・・・俺はそれがずっと許せなかった。
お前は、夢野の気持ちを考えたことがあるのか・・・?
夢野だってずっと、あの右目に悩まされながら生きてきたんだよ。
目の前で人が死んでいくのを全部自分のせいだと思いながら
ずっと生きてきた・・・」

僕は冷静になった。

「青木直弥を殺したのは、夢野じゃない」

僕はみんなの顔を1人ずつ見ていった。


「そして、3年の谷川だけど。
あの2人組は、夢野が屋上で谷川だけに右目を見せたと言っていたけど
・・・本当か?それが真実だと思うか?」

僕は夢野が眼帯を外していないという自信があった。
夢野はあの眼帯を外したりしない。

「夢野、どうなんだ?」

僕は夢野を見た。


「ああ。そうだ。俺は眼帯を外していない」