「秋山の机にあったノートを見ちゃったんだ。
そこには僕が拾ったノートと全く同じ文章が書かれてた。
だからすぐに分かったよ。」

秋山はゆっくり頷いた。

「・・・私、空野君に嘘ばっかりついた・・・。
恋ノートなんて信じないって言ったけど、
結局私は、ノートに書くことしかできない弱い人間!
自分の気持ちを伝えることも、
夢野君を助けることもできない。
私はみんなと同じように夢野君を避けた。
本当は一緒にいたいのに、
でもどこかで怯えてる自分がいるの。
それが許せなかった。
私は最低なんだよ・・・」

秋山は涙を流して僕を見た。

「でも、空野君は違った。
空野君だけは夢野君を避けなかった。
私達が止めようとしても、
あなたは変わらなかった!!」

秋山はゆっくりと笑う。

「夢野君が空野君と笑ってる姿を見た時、
私の夢が1つ叶った。
夢野君の笑顔が見たいってずっと思ってたから・・・」

僕は秋山の言葉を黙って聞いた。

「空野君・・・本当にごめんなさい・・・。
私が空野君のこと好きって言ったのも・・・全部・・・
空野君を守るために嘘をついた・・・。
本当にごめんなさい!」

夢野と一緒にいることで、
いつか僕も青木直弥のように消えてしまうのではないかという不安が
秋山を襲ったのだ。それはクラスのみんなも同じことなんだ。