「夢野。行こう。これ以上濡れると風邪引く」

僕は雨に濡れながら言った。

雷の音が鳴り響く。

「空野君」

突然、秋山の声がして僕は驚いた。

僕達の後ろに秋山が立っていた。

「あ・秋山・・・?」

僕は驚いた。どういうことだ?

「さっき空野君が、
気が向いたら来てって言ったから・・・」

秋山はチラッと夢野の方を見た。

「うん。わかった。とりあえず中に入ろう。
ここにいたら濡れる。
雨も激しくなってきたし。」

僕がそう言うと、雷が近くに落ちた。

「秋山。突然、気が変わったとでも言うのか?」

夢野はまだ仰向けになったまま言った。

「な・何の話?」

秋山は少し震えていた。

「どうしたら良いのか、私にも分からなかった。
本当は、こんなことしたくない。
でも、空野君のことを放っておけなかった。」

秋山はそう言うと僕を見る。

「田口君や磯谷君がダメなら、私がやらなくちゃって思った。
空野君が夢野君に近付かないように、
私が何とかしなくちゃって。」

秋山は今にも泣き出しそうだった。

「でも、もうこんなことしない。
本当は夢野君と普通に話がしたいし、
避けたくて避けてるわけじゃないから。」

秋山がそう言うと、夢野はゆっくりと起き上がった。

「そうか・・・。それは、予想外だったな」

夢野はそう言うと立ち上がり濡れたまま屋上から出ていった。
僕と秋山は急いで夢野を追った。