最近、見知らぬ少年が出てくる夢を見るようになった。
この夢を見たのは何回目になるだろう。


もう何度も見ている気がするのだ。


最初はあまり気にしていなかったのだが、
だんだんと見る回数が増えいき、
僕はその夢に出てくる少年について考えるようになった。


それは、1人の見知らぬ少年が狭い部屋の中で踞っている夢だ。
外はいつも、激しい雨と雷の音で鳴り響いている。

僕はその少年を部屋の隅の方で見ている。
しばらくすると、僕はその少年の顔が見たくなって近付こうとするのだが、
それと同時にガシャーンと何かが割れる音がして、
少年は耳を塞ぎ、僕は足を止めた。
少年の体は震えていて、何かに怯えているようにも見える。
ゆっくりと顔をあげ部屋の扉を見つめたまま動かない。
すると、だんだんと少年の顔色が変わっていった。
僕はその少年の目を見てゾクッとした。
そして再び、何かが割れる音と雷の音が同時に鳴り響いた瞬間、
少年は部屋から飛び出していく。
僕は慌てて少年を追いかけようとするが、そこで目が覚める。

この夢は、いつも同じところで目が覚めてしまう。
もう何度も同じ夢を見ているのに、
その先の続きを見ることができない。
少年は部屋を出て何処へ向かったのか?
不思議な夢だ。


僕は普通の、どこにでもいる高校生2年生だ。
そして今は、今日から通うことになる学校へ向かっている途中。
新しい制服を着た僕は歩きながら空を見上げた。
(空の色はこんなに青かっただろうか)
雲1つない快晴で、
こんな綺麗な空を、僕は見たことがなかった。
気持ちの良い朝だ。

僕は転校生だが、きっとこれから良いことがあるに違いない。
今日の天気は、そんな気分にもさせてくれた。
そして僕の人生はここから大きく変わっていく。