それでも私はこの世界から抜け出さなかった。 だって、自分を守ってくれる人はもういない。自分を守れるのは自分だけ。 毎日絡まれては殴って、蹴って。 その繰り返し。 負けたことは当時まだなかった。 でも、怖かった。 本当の本当に独りになりそうで。 闇の中に独り、孤独になりそうで。 強憐ーーー この闇の中で私はそう呼ばれた。 強く可憐な花だって。 可憐な花……ね。 私には似合わない名前ね。 そう思ってた。