私はとある中学校の3年生。
桜木 花梨(さくらぎ かりん)

全ての始まりは、
私が中1の頃からになる…


_____中1の冬_____


最近、他クラスである、
空垣 海(そらがき うみ)が、
私に片思いしているという話を聞いた。

私は海と同じ小学校出身。
6年の時だけ同じクラスだった。

小学校の時の海は坊主で、
どちらかといえばポッチャリにはいる。

顔はかっこいいというより、かわいい。

性格は大人しめだけど、
優しいし、仲良くなればよくしゃべる、面白い男の子。

中学生になって海とは、
クラスも離れたし、階も違うから滅多に関わることはなく、会わないことがほとんどだった。


部活動も違う。
海は男子バスケットボール部、私は女子ソフトテニス部。

海がなぜバスケ部に入ったかは知らないが、
私に至っては、男子ソフトテニス部に好きな人がいた…

その人は、笠木 涼(かさき りょう)。
涼も同じ小学校。
私は小5の頃から涼が好きだった。

そのことは海も知っている。

なのに、海が私の事を好きだって?
ありえない。
普段滅多に関わらないし、すれ違ってもお互いスルー。

だから私はそんなのただの噂話だと言って、信じなかった。