***
(あー。やっぱここだな。)
和也は一つ伸びをすると、汚れも気にせず地面へと寝転んだ。
本当は屋上が空いていれば屋上にいくのかもしれない。でも屋上なんて素晴らしいものはうちの学校にはない。屋根には行けるが怖くて出られたもんじゃないし先生にバレたら大変である。
「和也?」
和也は呼ばれた声に少々どきっとしながら、声の方向を見た。
「なんだ…美奈か…」
校舎の裏手、うまく影になり先生の巡回から逃れやすいここを知ってるのは自分くらいだと思っていたが、よく考えたら前に美奈にはこの場所を話していた。
岸部 美奈(きしべ みな)は、柊 和也(ひいらぎ かずや)の数少ない女友達にしてバンドメンバーである。同様に二ノ宮 陣(にのみや じん)は数少ない男友達で、普段つるんでいることが多かった
「さぼるの?」
美奈は落ち着いた声で尋ね、そっとそばに座った。
「まあ、現代文だし…。優等生の美奈こそサボる気?」
美奈は、こっちを向いて目を合わせた。
「ま、現代文だし!」
この一見まじめなお嬢様はなかなか食えない。教師陣からの信頼も厚いからきっと授業をさぼることについても手を打ってあるのだろう。
和也はそばに座る美奈を意識せず沈黙を保とうとした。
「あ、この時間ラジオでこの辺で音楽やってる人たちの特集組んでるよねー。流していい?」
意図も簡単に沈黙は破られ、しかもあろうことかラジオまで流すという。
「…あんま音出すのは勘弁して…。」
『…じつのゲストは先日Live gateで見事最優秀バンドとなりました、Cocytus rainのみなさんです』
「!!?」
和也は慌てて身を起こした。
(あー。やっぱここだな。)
和也は一つ伸びをすると、汚れも気にせず地面へと寝転んだ。
本当は屋上が空いていれば屋上にいくのかもしれない。でも屋上なんて素晴らしいものはうちの学校にはない。屋根には行けるが怖くて出られたもんじゃないし先生にバレたら大変である。
「和也?」
和也は呼ばれた声に少々どきっとしながら、声の方向を見た。
「なんだ…美奈か…」
校舎の裏手、うまく影になり先生の巡回から逃れやすいここを知ってるのは自分くらいだと思っていたが、よく考えたら前に美奈にはこの場所を話していた。
岸部 美奈(きしべ みな)は、柊 和也(ひいらぎ かずや)の数少ない女友達にしてバンドメンバーである。同様に二ノ宮 陣(にのみや じん)は数少ない男友達で、普段つるんでいることが多かった
「さぼるの?」
美奈は落ち着いた声で尋ね、そっとそばに座った。
「まあ、現代文だし…。優等生の美奈こそサボる気?」
美奈は、こっちを向いて目を合わせた。
「ま、現代文だし!」
この一見まじめなお嬢様はなかなか食えない。教師陣からの信頼も厚いからきっと授業をさぼることについても手を打ってあるのだろう。
和也はそばに座る美奈を意識せず沈黙を保とうとした。
「あ、この時間ラジオでこの辺で音楽やってる人たちの特集組んでるよねー。流していい?」
意図も簡単に沈黙は破られ、しかもあろうことかラジオまで流すという。
「…あんま音出すのは勘弁して…。」
『…じつのゲストは先日Live gateで見事最優秀バンドとなりました、Cocytus rainのみなさんです』
「!!?」
和也は慌てて身を起こした。



