観客動員数300名ほどの小さな体育館のフロアに、ドラムの音が鋭利に響き渡る。
心臓の鼓動とバスドラムの低音がマッチして、まるで胸を叩かれているかのように激しく心を揺すぶられる。
「undulate vein」
ボーカルが一呼吸置いた次の瞬間、全パートが総力をかけて音圧を集めた。
きらびやかなメインギターに、あくまでミスなく伴奏をこなすサイドギター、そしてアップテンポをなんなくこなすドラムがいた。だが、なんといってもこのバンドの要はベース。およそ高校生と思えないベースラインをおよそ高校生と思えないグルーヴ感で弾き抜く。
フロントマンであるギターボーカルの彼は会場を一体感のあるものに仕上げるべく声を張り上げ、またメンバーも会場もそれに応えたーーー。