『今日の夜7時に潮風通りの輪島ビル裏に来て』
そんなメールが浅倉から来た。
...面倒くさいが、家に居たくもないので行くとするか。
そうして私は指定の場所に居る。
しかし、裏って...。
普通待ち合わせは路地裏でしないだろう。
少し不審に思ったが私は路地裏に進む。
何か変な音が聞こえてきた。
ぐしゃっ、ずしゃっ。
慣れない音に首を傾げる。
それに伴って何か生臭い臭いも漂ってくる。
なに...何だこれは。
足がすくむ。
未知のものに対する恐怖が襲ってきた。
「あさ...くらぁ?」
震える声で浅倉を呼ぶ。
怖い。
「あ、来たんだ」
赤黒い血と肉片...白い欠片が飛び散る...。そんな光景が目に飛び込んできた。
「何これ...あんた...何やってんの?」
「何って...見てわからない?」
血を浴びた浅倉が笑う。
「俺、怖がってる右京初めて見た。可愛いね」
こんな時でも口説けるこいつが本当に分からない。
いや...それより。
どう見てもこれは...。
「殺人現場?」
「ぴんぽーん!あったり!」
浅倉がけたけた笑う。
「ねぇ、右京忘れてないよね?復讐手伝ってくれるって約束」
あぁ、確かこの前...。いや、それより。
「復讐って...殺人?意味わからない。警察に捕まるよ?馬鹿じゃないの!?馬鹿!!意味わかんない!?絶対協力しないから!」
私がそう言うと浅倉は残念そうに眉を下げる。
「えー、協力してくれないの?じゃあ見られちゃったから...死んでもらうしかないかも」
ナイフがすっ、と私の首筋に立てられる。
死にたくない。
生きてる意味はないのに死にたくないと思っている自分は異常だろうか。
でも、生きたい。
私は覚悟を決めた。
「...絶対に」
「ん?」
「警察に見つからない?」
「...右京次第だね」
「...わかった。協力してあげる。でも一つだけ条件を出す」
浅倉の笑みが深くなる。その顔にはたくさんの血が付いていた。
「なに?」
「...私に無茶な事をさせるなよ。私器用じゃないからな?」
「わかってるって」
首に立てられたナイフが離される。
それと同時に体から力が抜けた。
「おっと」
浅倉が崩れた私の体を支える。
「とりあえずこれを死体処理屋に持っていこうか」
死体処理屋、というのは近くの小児科だった。もう閉まっていたが、何とか裏口から入ることができた。
私も小さい頃お世話になり、最近は来ていなかったが内装は全く変わっていなかった。
そうこうしているうちに医院長が出てくる。白髪が増えたこと以外何も変わっていない。
「あ、恵人くん久しぶり。...そちらの子は?」
「俺の彼女だよ」
「かっ!?」
思いも寄らない発言にまたもやうろたえる。
「まぁいいや。今回の死体は?」
「あ、ゴメン。麻酔打ったんだけど暴れてさ。バラバラにしちゃった」
「...一回も綺麗な死体持ってきた試しないよね」
「うーん、やっぱりエーテルにした方が良かったのかな?」
ナチュラルに会話が繰り広げられているが、内容はかなりヤバイ。警察が居たら即刻逮捕だろう。
あの後、二人は着替え、死体は毛布とビニールシートシートに包まれ、どう考えてもレジャー帰りのカップルにしか見えなくなっていた。
バレるんじゃないかとドキドキしていたが、浅倉のおかげで何とか落ち着いた。
「右京。初仕事どうだった?」
「...疲れた」
「あ、ごめん!だよね!もう今日は帰っていいよ!後は俺がやっておくからさ!」
「じゃあお言葉に甘えて」
そう言って私は帰った。
そんなメールが浅倉から来た。
...面倒くさいが、家に居たくもないので行くとするか。
そうして私は指定の場所に居る。
しかし、裏って...。
普通待ち合わせは路地裏でしないだろう。
少し不審に思ったが私は路地裏に進む。
何か変な音が聞こえてきた。
ぐしゃっ、ずしゃっ。
慣れない音に首を傾げる。
それに伴って何か生臭い臭いも漂ってくる。
なに...何だこれは。
足がすくむ。
未知のものに対する恐怖が襲ってきた。
「あさ...くらぁ?」
震える声で浅倉を呼ぶ。
怖い。
「あ、来たんだ」
赤黒い血と肉片...白い欠片が飛び散る...。そんな光景が目に飛び込んできた。
「何これ...あんた...何やってんの?」
「何って...見てわからない?」
血を浴びた浅倉が笑う。
「俺、怖がってる右京初めて見た。可愛いね」
こんな時でも口説けるこいつが本当に分からない。
いや...それより。
どう見てもこれは...。
「殺人現場?」
「ぴんぽーん!あったり!」
浅倉がけたけた笑う。
「ねぇ、右京忘れてないよね?復讐手伝ってくれるって約束」
あぁ、確かこの前...。いや、それより。
「復讐って...殺人?意味わからない。警察に捕まるよ?馬鹿じゃないの!?馬鹿!!意味わかんない!?絶対協力しないから!」
私がそう言うと浅倉は残念そうに眉を下げる。
「えー、協力してくれないの?じゃあ見られちゃったから...死んでもらうしかないかも」
ナイフがすっ、と私の首筋に立てられる。
死にたくない。
生きてる意味はないのに死にたくないと思っている自分は異常だろうか。
でも、生きたい。
私は覚悟を決めた。
「...絶対に」
「ん?」
「警察に見つからない?」
「...右京次第だね」
「...わかった。協力してあげる。でも一つだけ条件を出す」
浅倉の笑みが深くなる。その顔にはたくさんの血が付いていた。
「なに?」
「...私に無茶な事をさせるなよ。私器用じゃないからな?」
「わかってるって」
首に立てられたナイフが離される。
それと同時に体から力が抜けた。
「おっと」
浅倉が崩れた私の体を支える。
「とりあえずこれを死体処理屋に持っていこうか」
死体処理屋、というのは近くの小児科だった。もう閉まっていたが、何とか裏口から入ることができた。
私も小さい頃お世話になり、最近は来ていなかったが内装は全く変わっていなかった。
そうこうしているうちに医院長が出てくる。白髪が増えたこと以外何も変わっていない。
「あ、恵人くん久しぶり。...そちらの子は?」
「俺の彼女だよ」
「かっ!?」
思いも寄らない発言にまたもやうろたえる。
「まぁいいや。今回の死体は?」
「あ、ゴメン。麻酔打ったんだけど暴れてさ。バラバラにしちゃった」
「...一回も綺麗な死体持ってきた試しないよね」
「うーん、やっぱりエーテルにした方が良かったのかな?」
ナチュラルに会話が繰り広げられているが、内容はかなりヤバイ。警察が居たら即刻逮捕だろう。
あの後、二人は着替え、死体は毛布とビニールシートシートに包まれ、どう考えてもレジャー帰りのカップルにしか見えなくなっていた。
バレるんじゃないかとドキドキしていたが、浅倉のおかげで何とか落ち着いた。
「右京。初仕事どうだった?」
「...疲れた」
「あ、ごめん!だよね!もう今日は帰っていいよ!後は俺がやっておくからさ!」
「じゃあお言葉に甘えて」
そう言って私は帰った。
