恋を知る

動く度に少し長くなった髪が顔にかかる。

味方からパスをもらい、ドリブルで切り込んでいく。

1度止まってからシュートフォームを作る。

ピュッとボールを手から放す。

ボールは弧を描くようにしてリングへと入っていく。

「ナイシュッ!ちせ!」

「…っ」

同じチームの晃が肩をバシッと叩いてきた。

「ちょっとー ちせも女の子なんだから優しくしなよー」

周りの女子が晃に向かって言う。

周りのみんなが笑い出す。

火曜日の放課後。学校の近くの公園でバスケをしていた。

「もう5時じゃん。女子もいるし解散するか。」

1人がそう言うと「そうだな」という賛同があり、みんなが帰っていく。