ためらった…
ほんの少しだけ
これ以上関わっても良いのか分からない
………けど………………………………
「待って‼︎」
驚いた、あの吸血鬼…も私も…
でも今は、関係ない
早く言えと言わんばかりにこちらを見ている
「私の…
私は母を探しているの!
私の母の名は…
野村…彩愛
って言うの」
知っているかなんて…
知らない‼︎
けど、今聞かないともう聞けない気がした
お願い
そう言おうとした私の声を消したのは彼だった
「…
彩愛……か?」
そう言い薄く笑った
「母を…
私の母を知っているの?」
思わず彼の腕を掴んだ
…がっしりとした腕だった
…冷たかった…
「リファース」
私の手をほどこうともせずにそう言った
何を意味するものか分からなかった
彼はそんな私を置いておいて話し続けた
「リファースだ
俺の名はリファースだ
何かあったら呼ぶといい
力になろう
必ず」
そう言い残し消えた不思議な吸血鬼
リファース…
いつか呼ぶだろうか
その名を

