吸血鬼






次の日はカナタはいなくてヨミの所まで1人で行った


教室に入りカナタの所へ行った


「カナタ…」


声を掛けないと振り向いてはくれない


気まずそうに振り向いたカナタの手を掴み昔のような笑顔で


「ありがとう」


好きだとは言わない


決めたんだ


後悔は………しないよ


手を下ろして強く抱きしめて強くただ強く言った


「ありがとう
カナタ…ありがとう
ごめんね」


人目なんて気にならなかった


お別れだから


大好きだった人へのお別れだから……………


カナタを離し、鞄を持ち家へと向かう


お母さんを探さなくてはいけない


帰ってきたら誰もいなかったら寂しいから


けど、現実はそう上手くは行かなくて


途中でカナタが追いついちゃった


涙を拭いて拭いて


視界がボヤけて声だけが聞こえた


スミレ、スミレ…


ってカナタの声が