詩織と詩織の彼氏さんと、将生と私でWデートをした。

ずっと笑っていられた。
全部全部、忘れて。
ゆやのことも消して。

ちゃんと、将生を好きにならなきゃ。


「んじゃあここから別行動する??」

そのひとことで私と詩織は別行動になった。

私の肩に将生が手を回した。

別々になるとき、詩織が心配そうに私を見つめたね。
だから私は精一杯の笑顔で詩織に手を振った。


「ふう、今から何する??」

「えー? あ!アイス食べたい!!」

「アイス??しょーがねーなぁ」

将生が私の頭をくしゃくしゃした。

将生といると、ずっと笑顔でいられた。
ありがとう。ちゃんと、好きになるからね。



しばらくして、私たちはまた合流した。

「そろそろ帰ろ~~~」

詩織が言った。
さすが詩織!私もそう思ってた!

「そーだね~」


帰り道は
少し前を将生と詩織の彼氏が歩いて、ちょっと後ろに詩織と私がいた。

楽しそうに将生たちが笑っているのを黙って見ていた。

「ふうか!楽しかった?? ってえ!?!?ふうかぁ…」

詩織の笑顔が急に曇った。

「うん!! …詩織??」

「ふう、どうしたの??泣かないでよ…」

「え!!!!!!…ふう… っう…詩織ぃ助けて…苦しいよ、辛いよぅ」

「分かってる、分かってるよ。大丈夫、そんなすぐに切り替えられる人なんていないよ。ふうが無理してるのくらい、知ってるから。」

「…ありっがと… もう、大丈夫…」

「ふうか、帰りの電車で二人きりになったらいっぱい話そう?? だから、今は頑張れる??」

「はい!!」

「よし!!いいこいいこ!!」

詩織が私の手を握ってくれた。
ごめんね、ありがとう、詩織。