「俺、学校なんか楽しくなくて」

「いつも寝て、眠り姫とか呼ばれて」

「廊下歩くと女子がうるさいし、
寝てたのに呼ばれたりして」

「全然、いい事とか楽しい事なかった」


少し、自慢が入ってる気がする…


「松下先輩がいたじゃないですか」

「稜は俺とは違う」

「人気者で友達なんか沢山いて」

「だけどあいつは俺が親友だって言うんだぜ」

「私にもそう見えますよ」

「あの頃の俺にはそう思えなかった」


「そんなときに、夏海が廊下で倒れて仲良くなってなんか……いろいろ変わったんだ」

「変わった?」

「まず、寝なくなった」

「えー、寝てますよー!」

「前よりは寝てないだろ」

「そうですかねー?」

「次、稜とより仲良くなった」

「喧嘩してぶつかって、親友って思えた」

「最後、親父と仲直りできた」

「俺、すっげえ夏海に感謝してる」

「ありがと」



「私が役にたったなら良かったです」

こんな真剣な顔は見たことがないってくらいキリッとした翼先輩は

とってもかっこよかった……



「夏海……」

「俺……………」