平和だなぁ………。

「…………お前と同じだよ。」

「え?」

急にヒロシが口を開いた。

「俺もお前と同じなの。俺も、“教師”ってゆー立場の女を好きなんだよ。」

…ま、まさかの展開。

ヒロシがチラッと私を見る。

ああ、だから、好きになるのは個人の自由とか言ってくれたんだね。

「…その先生、ここの学校の??」

「そぉ。誰かとは言わねーけどな」

「そっか。おんなじだね」

「そぉ。おんなじなの。」

また、ヒロシは、ははっと笑う。

授業終了のチャイムがなる。

「あ、じゃあ私教室戻るね。」

すくっと立つ私。

「あ?あぁ。さいなら。」

「うん。…あのさ!」

ヒロシは私を見上げる。

「…泉くんって、無口だと思ってたけど、全然そんなことないね。」

「そりゃあな。普通に話すし。誰とも。」

「うん。それに、泉くんの恋の話とかも聞けてよかった。私、先生を好きなんて友達にも馬鹿にされると思って言えてなくって、なんか、、、相談出来そーな人が出来たってゆぅか…。正直嬉しい。」

見間違いかな?

ちょっとだけ、ヒロシの顔がまた赤くなったよーな気がした。

「それ、こっちのセリフーーー。」

赤い顔して空見上げながらそんな事言うから、私はもっと嬉しくなった。

「あ、長谷」

教室に戻ろうとする私を、ヒロシが呼び止めた。

「なに?」

「ヒロシ。で、いいよ。呼ぶとき」

「…!じゃあ、私もゆうなでいいよ。」

「ん。りょーかい、ゆーな。」

私、いい友達出来たなぁ。