その次の授業に、ヒロシは居なかった。

まあ、当たり前なんだけどね。

さっきの保健の授業にいたって事だけでレアなんだから。

午後の授業は私も気が乗らなくてサボってしまった。

廊下をブラブラ。

前から歩いてくるのは、小林先生。

「ゆーなちゃーん。サボりですかぁ?」

にこにこしてるような、睨んでるような顔で先生が言った。

「違いますー。体調が悪いんです。」

「具合悪いの?頭痛?お腹?」

「………しんぞー…。」

先生から目を逸らして、自分の心臓を触った。

「心臓!?それやばいじゃん。なんでだろ?成長期ってやつか。」

………私今高校生なのに…。成長期ではないんでしょーか、先生。わら。

「それも違うし。先生見てるとここ痛くなる。」

「え?俺?」

「そ。先生のせいなんです。」

なんか恥ずかしくなって逃げた。

無駄に長い廊下を走り抜ける。

何処の教室も授業中だったから、そのまま校舎を後にして、中庭に出た。

目に飛び込んできたのは、ヒロシの姿。

校舎の壁に寄りかかって寝てる様子。

私はそっと、ヒロシの方へ向かった。