「撮影、思ったよりも早く終わったな」


着替え終わって、部屋から出た廊下で。


ハットをかぶりながら、俺の斜め後ろを歩くカズに声をかける。


「おまえ、この後どうするの?」


カズは見ていたケータイから顔をあげた。


「んー。
べつに。
王河は?」


「そうだな」


一瞬考えて、メガネのブリッジを押し上げる。