乃愛の手をいったん、自分の足に乗せる。 ポケットからカプセルを取り出し、割って、中から指輪を取り出す。 「乃愛、左手出して」 そう口にしながら、乃愛の左手をとり……。 薬指に指輪をはめた。 誰の指にでも合うように、キュッと締めるタイプのおもちゃの指輪。 大きなピンクの石がついている。 「これが、あのときの秘密の正体」 「…………」 「10年後、乃愛にあげるって約束しただろ?」