「うん。
バレないようにって、野々宮が」


「……え?
夏帆が?」


「そう。
この帽子もセットで」


「…………」


「本当は、マスクもしろって言われたけど、それはさすがに却下した」


「……なんで?」


「単純に、暑いから」


「そうなんだ。
なんか……夏帆と仲いいね」


乃愛は、少しだけ下を向いた。