花火会場に向かう人の群れ。


同じくそれに従い、花火の会場までの道のりを並んで歩く。


浴衣を着て、ゲタをはいている乃愛の歩幅に合わせて、ゆっくり歩く。


乃愛は、ピンク色のイメージだけど。


今日の浴衣は、紺色。


それがまた清楚な感じで、よく似合っている。


「乃愛、その浴衣見たことない。
それもすっごくかわいい」


みとれながら、褒め言葉を口にする。


「あ、ありがとう……」


うれしそうにはにかむ乃愛。