「あたしの親友を泣かせんなっ」


そんな言葉とともに、丸めた紙が飛んできた。


「ちょ……。
やめろ、野々宮」


俺の言葉に耳を貸すことなく、野々宮は、丸めた紙を俺に向かって投げ続ける。


「アンタのこと。
負けず嫌いって知ってるけど。
こんなところで発揮しなくても、べつにいいじゃん」


「……は?」


「いつもの生意気な口調で好きだって言えば、それでいいじゃん」


「ちょっ……。
野々宮、なに言って……」