「もちろん、ふたりで。
乃愛抜きで」


こんなことを、野々宮が言うなんて、信じられない。


でも、現に……。


「アンタ、今、なにしてんの?
仕事なの?
それとも、オフなの?
今、どこにいるの?」


野々宮は、次々にたたみかけてくる。


「なんでお前に、そんなこと言わなきゃいけないんだよ」


言葉がとぎれた瞬間、言葉を挟む。


すると野々宮は、ハーッと息を吐き出して、心底面倒くさそうに言った。


「アンタの大事な彼女のことで。
とっても重要な話があるの」