乃愛の手をひいて、屋台をまわる。


キョロキョロ、キョロキョロ、落ち着きのない乃愛。


……ったく。


「乃愛、ふらふらしてんな。
よそ見してると危ないぞ」


乃愛の小さな手をクイッと引っ張る。


「でも~。
やきそばもおいしそうだし。
たこ焼きもいいなって」


あごにひとさし指をあてて、物欲しそうに屋台を見つめる。


「……ったく。
子供じゃないんだから。
覗き込むなって」