お礼ぐらいは、言わねーと。


「ありがとう」


ハットに手をかけたまま、ぴょこっと軽く頭をさげる。


すると……。


「……って。
褒めてねーし」


カズは、露骨に嫌な顔をして見せた。


でも、さ。


そんなの、どうでもいいし。


つか、そもそも、どっちでもいい。


それより……。