「るぅちゃん、サッカー観に来るの?」
「あぁ、勝也おはよ。
うん、行くかな、たぶん。」
たぶんって何だよって突っ込んでくるのは、涼介の影響で私のことを『るぅちゃん』と呼ぶ、サッカー部の勝也(かつや)。
「かっちゃん俺と同じチームね!」
涼介は男女問わず、仲のいい人にはちゃん付けをして呼ぶ。
どこに魅力があるのかさっぱり謎なこの涼介という男はなぜかモテる。
涼介の影響力は男女問わず凄まじくて、涼介が私のことを『るぅちゃん』と呼ぶから、大半の人は私をそう呼んでいる。
さらに大半の女子たちはというと、涼介と幼なじみで親しいという嫉妬からなのか、私を毛嫌いする子ばかり。
私のこの顔に似合わない甲高い声を、涼介や勝也はアニメみたいで可愛いじゃんと言うけれど
『作っている』
『ぶりっ子』
などとよく知らない女の子たちから影で言いたい放題言われていて。
『瑠璃果ちゃんって⚪︎⚪︎先輩の子供妊娠しちゃって中絶したらしいよー。』
とかなんとか。
とっても想像力豊かな噂ばかり流されてるのが、私の中学生活なんです。
まぁそんなことは知ったこっちゃない。
てゆーか、そもそも⚪︎⚪︎先輩って誰よ?って話で、私が佐伯先生以外の人を相手にする訳じゃないって話で。
涼介ファンは完全にスルーの方向で。
私には愛しの佐伯先生がいるから大丈夫!...と、開き直って毎日過ごしています。
