放課後の私が足速に向かうのは個別指導と高額な学費で有名な学習塾。


や、私は勉強を好き好んでガリガリするような模範生徒ではありません。

現に校則違反の髪色とピアスとメイクとその他諸々についてのお説教をスルーして学校から出てきた訳ですから。




「ねぇ、佐伯先生!
質問!しつもーん!」


「はいはい、なんでしょーか。
ってそれ俺のイスだからどけよ。」


講師専用のイスに座り、キャスターを最大限に利用しながらクルクル遊ぶ私を鼻で笑うのは、この塾の講師。

佐伯 傑(さえき すぐる)

25歳。独身。
帰国子女で英語ペラペラで、指名がかなり多い人気講師。

意地悪なこといいながらも優しい彼の人気は、生徒からだけでなく女性講師陣からも絶えなくって...


ほらー。
その笑ったときのえくぼはズルいよ。

佐伯先生のえくぼに只今吸い込まれそうになってる私もその虜の一人。





そう。
私は塾講師の佐伯先生に片想い中であり、日々猛烈なアピールをしながら佐伯に振り向いてもらおうと努力をしまくっております。