最後の夏 ~十年の想い~



俺は驚いて声をあげる。


すると、アイラははっとしたように俺を凝視した。


「…ユイト……?!」


ひさしぶりに聞いた、アイラの俺を呼ぶ声。


思わず、頬がゆるんでしまう。


しかし、アイラはそんな俺の態度に気付かないまま、焦ったように声を荒げた。


「ユカリさんがっ……ユカリさんが、いないのっっ!!」