高めの声が、少しずつ近づいてくる。 暗闇のせいでお互いがよく見えなかった。 どうやら、アイラは俺に気付いていないようだった。 どうしてか、彼女は切羽詰まったように、必死に走っている。 そして、俺の隣を通り過ぎる前に、ふっと足を止めた。 「あのっ、このあたりで、女の人を見ませんでしたか?!」 「………え?」