***** 俺は、学校を出ると当てもなく歩き出した。 時々、車が通るくらいの細い道を歩いていると、パタパタという足音が聞こえてきた。 誰だろう、と思いながら、足を進める。 どうせ俺には関係ない。 しかし、微かに聞こえてきた声に、ハッと体を強ばらせた。 なんて言っているかは、よく聞き取れない。 しかし、その声の主はすぐにわかった。 「………アイラ?」